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ハイパーカジュアルゲームのクリエイティブとは?成功のコツをSupersonicから学ぶ

ハイパーカジュアルゲームのクリエイティブとは?成功のコツをSupersonicから学ぶ

ハイパーカジュアルゲームにおいて「クリエイティブ」の作成はマーケティングの重要なコンセプトです。

そこで今回は、ハイパーカジュアルゲームのパブリッシャーであるSupersonicのクリエイティブチーム長・Lolita Snopkova氏がクリエイティブについて語った記事を参考にして、ハイパーカジュアルゲームのクリエイティブについて解説します。

ハイパーカジュアルゲームのクリエイティブとは?

クリエイティブとは「広告の制作物」のことを指します。ハイパーカジュアルゲームの場合は、動画リワード広告やプレイアブル広告、インタースティシャル広告など様々な種類の広告がありますが、これらはすべて「クリエイティブ」のひとつです。

英語のcreativeというワードは「創造的」という意味なので、混乱してしまう方も多いかもしれません。マーケティング業界では、クリエイティブ=広告です。そのため、例えば「クリエイティブのテストをする」という場合は、「(デザインや構成などが異なる)様々な種類の広告を配信し、効果を見る」という意味になります。

クリエイティブは、ユーザーとの最初の接点です。クリエイティブにおいてユーザーを魅了することができればゲームをインストールしてもらうことができますし、反対に、クリエイティブが効果的でなければゲームの魅力を伝えることができず、インストール数は伸びないままになってしまいます。

ユーザーファネルとは?

また、SupersonicのLolita Snopkova氏は以下のように述べています。

ユーザーは広告を閲覧するとき、ゲームをプレイしているときと似たファネルを経験します。

引用:Supersonic

ここで使われている「ファネル」とは何でしょうか?ファネルとは「漏斗(ろうと)」のことで、逆三角形の形状が特徴です。マーケティングにおいては、ユーザーを育て、目的を達成させるプロセスのことをいいます。

例えば、商品の購入を目的とする場合は、まずお客さまに商品を認知してもらい、興味関心を抱いてもらいます。次に、他社製品や他の課題を解決する方法などと比較検討し、商品の優位性を感じてもらえれば購入してもらえます。逆三角形の頂点を「購入」というゴールに見立てた場合、逆三角形の広がりから、認知→興味関心→比較検討→購入というプロセスを経ることで徐々に自社商品の購入につなげていくのです。

ハイパーカジュアルゲームの場合は、ゴールはゲームのインストール、そしてプレイし続けてもらうことです。この場合、ユーザーは以下のようなファネルを体験するのではないでしょうか。

  • 認知:クリエイティブを通じて、ゲームの存在を知る
  • 興味関心:クリエイティブを通じてゲームの面白さを感じ、興味関心を抱く
  • 比較検討:他のハイパーカジュアルゲームや、他の暇つぶしの方法(SNSなど)と比較・検討し、このゲームの優位性を感じる
  • 購入:アプリストアに遷移し、インストールする

このファネルを実現させるために、いかにクリエイティブが重要かが分かります。クリエイティブは、ユーザーにゲームを知ってもらい、その魅力を感じてもらうために欠かせないものなのです。

ハイパーカジュアルゲームのクリエイティブを作るコツ

これまでハイパーカジュアルゲームのマーケティングにおけるクリエイティブの大切さを解説しました。ここからは、効果が出るクリエイティブを作成するコツについて紹介します。

デザインを分かりやすくする

ゲームを認知してもらうためには、まずクリエイティブがユーザーの印象に残る必要があります。そのためには、クリエイティブのデザインを分かりやすく、そして目立つものにすることが重要です。

Supersonicは色を現実のものと関連付けることを勧めています。

現実にある色の関連性を利用すると、最も経験が浅いユーザーにも理解しやすい形でゲームのメカニクスを表現することができます。例えば、赤は危険を意味します。クリエイティブ内の敵や障害物を赤にすることで、避けるべきだとユーザーが本能的に理解できるようにしましょう。

引用:Supersonic

ハイパーカジュアルゲームのターゲットは、日常で空いた時間にゲームをプレイするカジュアルゲーマーです。カジュアルゲーマーはあまりゲームに慣れていないため、日常的に見る色と関連付けられたビジュアルにすると効果が出やすいでしょう。

ゲームプレイを5秒で表す

さらに、ハイパーカジュアルゲームのクリエイティブでは、ゲームプレイを最初の5秒で表すことが重要となります。

ゲームプレイの内容とゲームの目的を、クリエイティブの最初の5秒で明らかにしましょう。

引用:Supersonic

ハイパーカジュアルゲームの場合、メカニクスがシンプルで、言葉を使わなくてもゲームプレイの方法を説明できるのが理想です。5秒というと短いようですが、ユーザーが広告を視聴する際の5秒は意外に長く感じるものですので、なるべく簡潔にまとめましょう。

プレイヤー心理を理解する

プレイヤー心理を理解し、プレイしたいと思わせるような感情を抱かせるのも大切です。Supersonicは以下のような方法をおすすめしています。

ユーザーが人間のニーズや感情と関連付けるような、現実にある日常的なモノを選んでみてください。例えば、食べ物の絵文字をパズル系ハイパーカジュアルゲームのクリエイティブに使用すると、空腹感やその食べ物への欲望に関連付けることができます。

引用:Supersonic

ユーザーは無意識的にあなたのゲームを「比較・検討」します。他のゲームと比べて優位でいるための一つの方法として、ゲームプレイとユーザーの感情を関連付けるというテクニックがあるのです。

複数のクリエイティブを試す

クリエイティブは、常に複数のものを配信し、テストすることをおすすめします。Supersonicでは例えば「カメラのアングルを変える」「異なるテーマを使用する」などの施策を行っているようです。

テストを行う方法としては、全く異なるタイプのクリエイティブを配信し、タイプ別の効果を比較する方法が一つ。また、類似したタイプのクリエイティブを配信し、テキストや背景色など要素を一つだけ変えて比較することで効果的な要素を洗い出す方法もあります。これらはA/Bテストと呼ばれ、ハイパーカジュアルゲームのマーケティングには欠かせないものです。

クリエイティブとゲームの親和性を保つ

クリエイティブで受けた印象と、ゲームを実際にプレイして感じた印象が異なると、ゲームのリテンション率が下がってしまいます。ゲームの収益を上げるためにはユーザーにゲームをプレイし続けてもらい、広告を再生してもらう必要があるため、リテンション率はとても重要な課題です。

クリエイティブからアプリストアに遷移し、ゲームを実際にプレイしたユーザーが違和感を抱かないように意識しましょう。認知や興味関心を得るためにクリエイティブを改善し続けることは重要ですが、ゲーム本体との乖離はしないよう、バランスを保つ必要があります。

良いクリエイティブを派生させることもできる

一度効果が良いクリエイティブを作成できたら、これを少し派生させたバージョンを配信することもできます。効果の良いクリエイティブの効果を最大限に引き出すことができるでしょう。また、クリエイティブでユーザーの反応が良かった要素をゲーム内に追加し、ゲームの改善に役立てることもできます。

ただし注意点が1つ。同じクリエイティブを使い続けていると、ユーザーがクリエイティブを見慣れてしまい反応しなくなってしまう「クリエイティブの疲弊」という現象が起きる可能性があります。効果が良いクリエイティブを見つけたあとも、他に効果の良いパターンを探し続ける必要があるといえるでしょう。

Supersonicで公開されている元記事はこちら
ハイパーカジュアルゲームの勝ちクリエイティブを作る方法