ハイパーカジュアルゲームにはさまざまなジャンルがありますよね。パズル系やシューティング系などのジャンルの中でも流行りがあるものですが、常にトレンドのトップに君臨するのが「ランナー系」です。
ランナー系ハイパーカジュアルゲームは常にトップチャートにあり、トレンドが変わりやすいハイパーカジュアルゲーム業界において安定していると言えるでしょう。
今回はそんなランナー系ハイパーカジュアルゲームのトレンドを分析して解説します。どんな要素を取り入れるとダウンロード数が伸びるのでしょうか?ぜひ参考にしてみてくださいね。
ランナー系ハイパーカジュアルゲームとは?
ランナー系ハイパーカジュアルゲームとは、プレイヤーが操作するキャラクターが名前の通り「走る(ラン、run)」ゲームのことを言います。スタート地点から終わりの地点まで走り抜けることがゲームの目的です。
コースにどんな障害物があるか、その障害物をどのように乗り越えるのか、ポイントはどのように獲得できるのか。ゴール地点まで走り抜けるという基本は同じですが、ランナー系ハイパーカジュアルゲームでは他と差別化できる点は多くあります。
また、ハイパーカジュアルゲーム業界の変わりゆくトレンドの中でも、ランナー系ジャンルは常に安定しています。2021年4月~5月にリリースされたハイパーカジュアルゲームのダウンロード数(アメリカ)をまとめたデータでは、ダウンロード数が最も多かったジャンルはランナー系でした。
2位の「.io」系のゲームの2倍程度のダウンロード数があり、その安定した人気が読み取れますよね。
ランナー系のトレンドを例を挙げて解説
それではそんな根強い人気があるランナー系ハイパーカジュアルゲームのトレンドを解説します。ランナー系の中でもダウンロード数が多く収益性が高かったものは、以下のような特徴がありました。
乗数ゲートを取り入れる
「乗数ゲート」とは、通るとポイントが増えるゲート(門)のことです。
例えば、コース上に「+5」と「+50」と書かれたゲートが隣り合わせで配置されている場合、プレイヤーは「+50」のゲートを通って前進すればポイントが「+50」増えることになります。
ハイパーカジュアルゲームらしくシンプルな仕組みですよね。プレイヤー自身の一瞬の判断でどんどんポイントが増えていくので爽快感が感じられるのが魅力です。
乗数ゲートを取り入れトレンドの最先端を走るランナー系ハイパーカジュアルゲームには「Mob Control」「Count Master」「Arrow Fest」などがあります。特に「Count Master」はトップチャートに数ヶ月以上のり続けているヒット作品です。
ランナー系ゲームに乗数ゲートを取り入れる場合は、動画広告として、明らかな選択ミスをしたプレイを配信するといいでしょう。ユーザーに「自分ならできる!」と思わせることで、ダウンロードに繋がりやすくなります。
対義語にヒントを得る
ランナー系ハイパーカジュアルゲームのトレンドとして「対義語を使う」というものがあります。対義語とは、意味が対照的な言葉のことです。
ランナー系ハイパーカジュアルゲームで使われている対義語は、「痩せている⇄太っている(例:Fat Pusher)」「貧乏⇄富豪(例:Run Rich)」「子供⇄お年寄り(例:Run Of Life)」「天使⇄悪魔(例:Go To Heaven)」などでしょう。
ゲームの中でポイントを獲得するとキャラクターが徐々に変化していくものが多いです。例えば、スタート地点では痩せていたキャラクターがポイントを集めていくうちに太っていったり、子供がどんどん年をとりお年寄りになったりします。
対義語を使ったランナー系ハイパーカジュアルゲームでは、動画広告の時点でキャラクターがスムーズに変化していく様子を見せられます。ゲームを進捗させている達成感や、スムーズなアニメーションを見る満足感を与えられるでしょう。
女性向けのコンセプト
さらに、ランナー系ハイパーカジュアルゲームでは女性向けのコンセプトがトレンドになっています。
「High Heels」や「Shoe Race」「DressUp Run!」などのハイパーカジュアルゲームでは、キャラクターが女性で、ゲームのテーマも「ハイヒール」や「おしゃれにドレスアップする」など女性向けのもの。
ランナー系ハイパーカジュアルゲーム以外でも「Acrylic Nails!」や「彼氏が浮気してるっぽい」などの女性向けコンセプトが人気なので、これはハイパーカジュアルゲーム業界全体に共通するトレンドだと言えそうです。
個性的なキャラクターを走らせる
ランナー系ハイパーカジュアルゲームならではのトレンドとしては、個性的なキャラクターを走らせるものがあります。
これまでヒット作を開発するためにはゲームの操作性や目的、テーマなどを工夫する必要がありました。しかし最近のトレンドでは、プレイヤーが操作するキャラクターを個性的にするだけでユーザーを惹きつけることができます。
例えば「Blob Runner 3D」ではスライムのようなキャラクターが、「Muscle Rush」では筋肉質な男性が走っています。ユーザーが動画広告で目にしたときに一瞬で「面白そう!」と思えるという特徴があるため、マーケティング戦略として有利でしょう。
ラグドール物理を使う
ラグドール物理を使う、ちょっと変わったランナー系ハイパーカジュアルゲームも現在のトレンドです。
ラグドールとは「人形」という意味で、「ラグドール物理」はゲームでよく使われる物理法則のこと。キャラクターは決まった動きではなく、プレイヤーの操作に対応した柔軟な動きをします。
例えば「Fail Run(しくじりランナー)」では、転ばないようにバランスを取りながら障害物(椅子やトイレ、穴など)の上を走らなければいけません。ラグドール物理を使っているので、一歩一歩、足をどこに置くのかをプレイヤーが決められるのです。
ランナー系ハイパーカジュアルゲームといえばスピードが速いものを思い浮かべがちですが、このラグドール物理を使ったトレンドはスピードが比較的ゆっくりのものもあります。
ランナー系以外のジャンルでも、「Sleep Well!」や「Couples Yoga」などが人気となっているので、こちらもハイパーカジュアルゲーム全体として今トレンドかもしれませんね。
ステージや物を使う
最近のランナー系ハイパーカジュアルゲームではステージを広々と使い、物を操作させるものもトレンドに入っています。
例えば「Slice it All」や「Sticky Flip」では、プレイヤーが操作するのは「ナイフ」や「グニャグニャの棒」などの物です。ステージを広々と使い、障害物を乗り越えながらゴールにまで辿り着けるようにプレイします。
今までは一般的にキャラクターを走らせるのがランナー系ハイパーカジュアルゲームと考えられていましたが、何を走らせてもいいとなるとまた個性があるゲームが開発されそうですよね。
トレンドに乗ったら、さらに発展させよう
ランナー系ハイパーカジュアルゲームはスタートからゴールまで走り抜けるという共通の目的があるため、ユーザーにとって理解しやすくプレイしやすいジャンルです。しかしその分、競合アプリとの差別化が重要となります。
一度トレンドに合ったゲームを開発できたら、同じコンセプトをさらに発展させるのがおすすめです。似たトレンドを使っていても、異なる形で表現することでまた違った価値を届けることができますよ。
今回ご紹介したトレンドを参考に、個性的なランナー系ハイパーカジュアルゲームを開発してみてくださいね。
投稿者プロフィール
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株式会社ソースコード広報部/ライター
海外のインディーズゲームが好きで、自分でも開発するようになるが、飽きっぽく凝り性なので一人でリリースまで作り上げることができず、ぐだぐだしているところをスカウトされた。
現在は主にディベロッパーへの技術サポートと公式サイトのお役立ち情報の更新を担当している。
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