ハイパーカジュアルゲームはヒットすれば億単位で収益が出る夢のあるジャンルです。しかし収益化がうまくいかないと、せっかく面白いゲームでもユーザーに届かず投資資金を回収できないことになってしまいます。
そこで今回は、開発とパブリッシングを行うSupersonicが「ハイパーカジュアルゲームの収益化のヒント」を解説した記事を紹介します。
収益化に悩むデベロッパーのみなさん必見です!
ハイパーカジュアルゲーム収益化の仕組み
ハイパーカジュアルゲームの主な収入源は広告によるものです。
アプリ内で配信した広告の再生回数や再生時間で収益が決まります。ゲームによっては広告を消すためのアプリ内課金などもありますが、広告による収益化が一般的。ユーザーはお金をかけずにゲームを楽しめるのです。
また、ハイパーカジュアルゲームが億単位で稼げると言われている理由はその「ターゲットの広さ」にあります。ハイパーカジュアルゲームは言語をほとんど用いておらず、直感的にプレイできるため、世界中の老若男女が楽しめるのです。
さらにハイパーカジュアルゲームは通勤・通学時間などの隙間時間に多く楽しまれています。短い時間で気軽にプレイできるのが魅力なのです。そのため、主なターゲットはゲームにお金と時間を多くかける「コアゲーマー」ではなく、空いた時間があればゲームをプレイする「カジュアルゲーマー」。コアゲーマーよりもカジュアルゲーマーの方がユーザー層が多いと言われています。
ハイパーカジュアルゲームのターゲットは年齢も国籍も関係ない、世界中のカジュアルゲーマー。ターゲットが膨大なので、ヒットすれば億単位での収益化も可能というわけです。
Supersonicから学ぶ、収益化のヒント
そんな夢のある業界で上手に収益化する方法を知るために、Supersonicが公開している記事から学んでいきましょう。収益化のヒントが盛り沢山です!
KPIは始めの30日まで注目する
KPIを定めて数値を分析するのはマーケティングの基本ですよね。しかし、D1やD3、D7の数値を見てリリースに踏み切るのは尚早といえそうです。Supersonicいわくハイパーカジュアルゲームでは「始めの30日間」のKPIが鍵となるのだそう。
たとえD1やD3でCPIが良くても、しっかりと1ヶ月後まで待ち、リテンションやプレイ時間も良いか確認しましょう。こうすることで、自分のハイパーカジュアルゲームはLTVが高く、長期にわたり収益性を維持し続けるということを確実に知れるのです。
引用:Supersonic
D1やD3のKPIだけを見ていると、LTVを正確に予測できなくなってしまいます。これはマネタイズ戦略を立てる際の土台がぐらついている状態です。収益化を成功させるためにはLTVを最大化する必要がありますが、LTVの予測が不正確だと持続可能な戦略を立てるのは困難なのです。
ユーザーのエンゲージメントを高め、始めの14日間、そして30日間のKPIを改善させましょう。これが、長期にわたり収益を上げるためのヒントです。
ゲーム内容を隅々まで分析する
ゲームの内容を隅々まで分析することも収益化において大切です。
ハイパーカジュアルゲームは他のゲームジャンルと比べてゲーム内容がシンプルですよね。レベルも目的も分かりやすく、スワイプやタップだけで操作できるものがほとんどと、操作も簡単です。
しかし、ゲームが複雑ではないからといって、ゲーム内容の開発をないがしろにしてはいけません。良いゲームがあってのマーケティングなので、ゲーム内容の改善には力を入れましょう。
Supersonicの記事では、以下のような要素を分析することをおすすめしています。
ユーザーが離脱するレベル(ユーザー数が減少するのはいつ?5%以上離脱するようなら、見直す必要があります)
各レベルの達成にかかる時間
エンゲージメントが高い、もしくは低いスキン
ユーザーに好まれている、もしくは好まれていない機能
ユーザーとの関係性を強化するその他のタッチポイント など引用:Supersonic
数値は最も正確なバロメーターです。ゲームを開発していると客観的に判断することが難しくなり、開発メンバー以外に協力してもらっても、その人の個人的な好みに意見が左右されることは避けられません。しかし数値で分析すれば、多くのユーザーのエンゲージメントが下がったポイントを正確に見つけ出せます。
分析で浮かび上がってきた課題点をすべて改善すると、プレイ時間やリテンションが伸びるはずです。広告の再生回数や再生時間が増加し、収益化につながるでしょう。
広告を分析し改善する
Supersonicの記事では、ゲーム内に設置する広告の配信方法を見直す重要性も述べられています。
これまでの典型的な広告配信方法はスマホ画面の上下に表示されるバナー広告でした。しかし近年は、インタースティシャル広告や動画リワード広告、プレイアブル広告など、従来の広告に比べてユーザーにストレスを与えにくい形式も使用されています。
そこでSupersonicの記事では以下のように述べられています。
自動で表示される広告は解約率を上げ、LTVを下げてしまう可能性が高くなります。そのため、ゲームのリリース前に数日かけて、動画リワード広告のシステムを構築することが大切です。
引用:Supersonic
動画リワード広告は、エンゲージメントを高めるツールとなります。ユーザー自身が動画広告を視聴するかどうかを選べるので、楽しみを中断されるストレスがなくなり、ポジティブな気持ちのままゲームをプレイできるのです。
また、プレイアブル広告を設置してみるのもおすすめです。プレイアブル広告とは、広告内にミニゲームがあり、試しにプレイできるもののことをいいます。こちらも、ゲームを中断されるストレスを軽減できる形式です。
ユーザーがゲームをプレイし続けたいと思えるように、なるべく負荷を与えない広告を取り入れてみるのがおすすめです。そしてさらに、動画リワード広告の報酬を充実させるなどして、ユーザーが自ら広告を再生したいと思わせる工夫で収益化に役立てましょう。
マネタイズ戦略のA/Bテストを実施する
Supersonicの記事ではマネタイズ戦略のA/Bテストを行うことの重要性と実施する際のコツも紹介しています。
マネタイズ戦略に一つ変更を加えると、高確率で複数のKPIに影響を与えます。そのため、どのKPIを最も重要視するかを事前に決めておくことで、さまざまな要素を十分に考慮した上で決断を下せるようになるのです。
引用:Supersonic
収益化を成功させるためには、数値に基づく分析と計画性が重要となります。A/Bテストを行う目的をはっきりとさせて注目するKPIを事前に決めておくと、テスト結果の判断に悩むことが少なくなるはずです。Supersonicは1週間かけてデータを入手するそうなので、1週間はテストを行うといいでしょう。
広告クリエイティブを常に改善する
また、ハイパーカジュアルゲームの収益化では、広告クリエイティブを改善し続けることも大切です。
広告クリエイティブは、ユーザーがあなたのゲームに抱く第一印象を左右するものです。ユーザーの心に残るクリエイティブを使えば、インストールにつながり、CPIは下がります。収益化においてCPIが低いことは重要なので、広告クリエイティブは常に改善し続ける必要があるのです。
配信する国によって内容を変えてみたり、疲弊しないように常に新鮮なクリエイティブを作ったりと、工夫を重ねましょう。
収益化には「分析」が重要
Supersonicの記事で紹介されているハイパーカジュアルゲームの収益化のヒントを読むと、一つ共通点が見えてくるのではないでしょうか。収益化には「分析」が重要なのです。
変わりゆくユーザーの選好は、数字を見て分析しなければ分からない場合がほとんどです。とにかく分析を続け、課題点を改善することが収益化のコツなのかもしれません。今回紹介した収益化のヒントをぜひ参考にしてみてくださいね!
Supersonic記事全文はこちら
→ハイパーカジュアルゲームの収益性を高めるヒント5つ
投稿者プロフィール
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株式会社ソースコード広報部/ライター
海外のインディーズゲームが好きで、自分でも開発するようになるが、飽きっぽく凝り性なので一人でリリースまで作り上げることができず、ぐだぐだしているところをスカウトされた。
現在は主にディベロッパーへの技術サポートと公式サイトのお役立ち情報の更新を担当している。
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