ハイパーカジュアルゲームの市場規模は急速に拡大しています。2020年のダウンロード数は118億と、前年比較で52%も増加している成長ぶり。開発が簡単で、ヒットすれば多額の収益を見込めることから、ハイパーカジュアルゲーム業界に参入するゲームデベロッパーは後を絶ちません。
競合のスタジオに勝ってヒット作を生み出すには、パブリッシャーという強力なパートナーがいると有利です。そこで今回は、ハイパーカジュアルゲームのパブリッシャーの選び方を解説します。
パブリッシャーと提携するメリット
ハイパーカジュアルゲームのデベロッパーがパブリッシャーと提携するメリットは、一言でいうと「ヒットアプリを育てやすくなること」です。デベロッパーはゲーム開発について詳しくても、最適なマーケティングスキルを持っていることは少ないもの。そこで、デベロッパーが開発したハイパーカジュアルゲームをヒット作に育てるのが「パブリッシャー」です。
アプリマーケティングに必要な費用をカバーしたり、蓄積されたノウハウを使ってゲームを最適化したり。ゲームに関わる人が増えれば増えるほど、細かいところにまで目が届くものです。パブリッシャーは、デベロッパーが生み出したハイパーカジュアルゲームを育てる役割を担います。
パブリッシャーと提携するメリットについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
パブリッシャーの選び方
ハイパーカジュアルゲームはグローバルなジャンルです。そのため、パブリッシャーも世界中に多くあり、その中から自分に合ったパブリッシャーを選ぶことが大切になります。そこで、ハイパーカジュアルゲームのパブリッシャーの選び方を紹介します。
密なコミュニケーション
理想的なパブリッシャーとデベロッパーは、パートナー関係にあります。主従関係でも雇用関係でもなく、両者が「ヒットアプリを育てる」という同じ目的に向かっているパートナーなのです。そして、良いパートナー関係を築くためには「密なコミュニケーション」が必要となるでしょう。
例えば、テスト結果を細かく報告してくれるかどうか。ハイパーカジュアルゲームのヒット作を育てるには失敗がつきものです。最初にテストしたバージョンがいきなりヒットすることは難しく、テストや改善を繰り返すことでヒット作が生まれます。
テストを行う段階で、パブリッシャーがデベロッパーにデータを共有しないとどうでしょう。「ここを改善しろ」とだけいわれたデベロッパーは納得がいかず、コミュニケーションにすれ違いが起きてしまうことも。また、デベロッパーの成長にも繋がらず、パートナー関係とはいえません。
デベロッパーはマーケティングに関しての知識が豊富でないことがほとんど。だからデータを共有しないのではなく、デベロッパーが理解しやすい形でテスト結果を説明し、きちんとコミュニケーションを取れる関係性であるべきなのです。
自分が納得できる形でゲームを改善し、ヒット作に育てるために、密なコミュニケーションを取れるパブリッシャーを選ぶと良いでしょう。
実績の有無
パブリッシャーを選ぶ際は、実績があるかについても確認しましょう。実績はパブリッシャーがヒット作を生み出す実力がある証拠になり、蓄積されたノウハウを活かすこともできます。例えば過去に成功したゲームがある場合は、そのときにどのような施策を行ったか、ゲームプレイにどのような特徴があったかなどの知識を活かせるのです。
テスト結果のデータを分析すると、何がユーザーに好まれていて、何が離脱原因になっているのかが読み取れます。しかし、それをどのように改善したら良いのか、ユーザーはどのような感情を抱いてデータに表れている行動を取っているのか。このようなデータの背景となる原因は、実績に基づいた経験からの推測ができるといいのです。パブリッシャーを選ぶ際は、すでにヒット作をリリースしているかどうかを調べることをおすすめします。
日本語対応の有無
日本語対応の有無もパブリッシャーを選ぶ基準となるでしょう。ハイパーカジュアルゲームのターゲットは世界中のため、パブリッシャーもグローバルです。日本語対応がない場合、コミュニケーションが密に取れない可能性があります。
非英語圏のパブリッシャーの場合、英語の対応も苦手な場合がありますので、コミュニケーションが取れるかどうかは事前に確認する必要があります。英語でのコミュニケーションが難しい場合は、日本法人があるか、日本窓口があるかなどはしっかりと確認しましょう。
業界知識の深さ
ハイパーカジュアルゲーム業界について詳しく知っているパブリッシャーを選びましょう。
デベロッパーは、ゲーム制作に時間やリソースを使っているため、常にハイパーカジュアルゲーム市場の動向を追うことは難しいもの。しかもハイパーカジュアルゲーム業界のトレンドの移り変わりは速く、片手間で業界について深く理解することは難しいといえるのです。
業界知識が深いパブリッシャーと提携すれば、トレンドや市場の動向についての情報をシェアしてもらうことができます。業界知識の深さは、これまでにリリースしたハイパーカジュアルゲームの本数や、公式HPのコンテンツ、担当者との会話などにおいて判断できるでしょう。
UAのサポートの有無
パブリッシャーを選ぶときは、UA(User Acquisition:ユーザー獲得)のサポートの有無も確認しましょう。パブリッシャー選びの失敗談として「提携したは良いものの、ゲームをアプリストアにリリースするプロセスを行っただけで、そこからユーザーを獲得するプロセスのサポートが乏しかった」というものも。
リリースしておしまいではなく、ヒット作を育てるためにテストを繰り返し行い、クリエイティブなどを作成し続けるパブリッシャーを選びましょう。CPIを下げたり、LTVの改善を図ったり……リリースしてからの段階がパブリッシャーの腕の見せ所です。
リソースの大きさ
パブリッシャーが持っているリソースの大きさも、提携相手を選ぶ基準になるでしょう。例えば、常にクリエイティブを作成するクリエイティブチームがあるか。データを分析するチームがあるか。一つのことに専門的に取り組むチームがある場合、その制作物の質も高まる傾向にあります。デベロッパーだけでは手が届かないところのサポートも行ってくれるのがパブリッシャーの良いところです。せっかく助けを借りるなら、専門家の助けを借りたいもの。
また、ハイパーカジュアルゲームをヒット作に育てるためには多額の広告費が必要となります。パブリッシャーはその広告費を出してくれることがほとんどですが、どのゲームに対して広告費を出すかの判断基準が異なります。
CPIが掲げる基準よりも高い場合は、いかなる状況でも出資をしないというポリシーがあるパブリッシャーもあれば、CPIが多少高くても、ポテンシャルのあるゲームには出資をしてくれるパブリッシャーもあります。このようにリスクを取って挑戦してくれるパブリッシャーは、すでにビジネスの基盤がしっかりしていて経済的リソースがある可能性が高いでしょう。規模の小さいパブリッシャーの場合、あまり挑戦的なことはできないので、投資をするゲームの判断基準も慎重になりやすいのです。
信頼できるか
最後に、パブリッシャーが信頼できるかも大切です。デベロッパーの権利を尊重してくれるか、会社のポリシーに共感できるか、チームとの人間関係を築けるか。自分の大切なゲームを一緒に育てるパートナーですから、信頼性は重要な要素です。
まずは一度問い合わせてみると、会社の雰囲気やポリシーを知るきっかけになるでしょう。
自分に合ったパブリッシャーを選ぼう
自分に合ったパブリッシャーを選ぶことで、あなたのハイパーカジュアルゲームをヒット作に育て上げましょう。パブリッシャーは世界中に多くありますが、中でもironSource傘下で世界的に有名なSupersonicと弊社は提携しています。
今回紹介したパブリッシャーの選び方のすべてに該当しており、アプリ1つから提携が可能。まずは1つゲームを申請してみて、信頼性や実績を肌で感じ取ってみるのがおすすめです。あなたに合うパブリッシャーを見つけられますように。
投稿者プロフィール
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株式会社ソースコード広報部/ライター
海外のインディーズゲームが好きで、自分でも開発するようになるが、飽きっぽく凝り性なので一人でリリースまで作り上げることができず、ぐだぐだしているところをスカウトされた。
現在は主にディベロッパーへの技術サポートと公式サイトのお役立ち情報の更新を担当している。
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