今急成長中の市場といえば、ハイパーカジュアルゲーム。2020年には118億ダウンロードを突破し、収益は30億ドル超えという市場規模になっています。これからも成長が期待できるジャンルといえるでしょう。
この止まらない成長率に加えて、「ハイパーカジュアルゲームは開発費用が安い」と聞いたことがあるデベロッパーの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ハイパーカジュアルゲームの開発費用を紹介します。なぜ安いのか、開発期間はどれくらいかなど、詳しく解説していますよ!
通常のゲーム開発にかかる費用
ゲームアプリの開発では、通常「300万~1,000万円」かかることも珍しくありません。
ゲームデザイナー、2D/3Dデザイナー、UIデザイナー、サウンドデザイナー、デベロッパー……。挙げるとキリがないほど、ゲームアプリは各分野に特化した技術者が多く関わって開発されています。
クラウド型システムの構築やプレイヤー数に関するシステムデザイン、ナビゲーション機能やメッセージ機能など、ゲームの内容を充実させていくと何かと費用がかさんでしまうのです。残念ながら、個人のデベロッパーが気軽に開発できるような費用ではないですよね。
ハイパーカジュアルゲームの開発費用はどれくらい?
通常のゲームアプリを開発するコストを聞いて、その高額な開発費用に夢を諦めそうになったデベロッパーの方も少なくないでしょう。しかしハイパーカジュアルゲームなら、比較的安価(数万〜数十万円)にゲームを開発できます。
ハイパーカジュアルゲームの開発にかかる費用を試算してみましょう。
開発環境を整える費用
ゲームの開発環境が整っていない場合はまず、開発が可能なPCを準備する必要があります。ゲームエンジンUnityの公式サイトでは、エディターを実行するための最低要件として以下を挙げています。
最低要件 | Windows | macOS | Linux |
OS バージョン | Windows 7 (SP1+), Windows 10 and Windows 11, 64-bit versions only. | High Sierra 10.13+ (Intel editor)
Big Sur 11.0 (Apple silicon Editor) |
Ubuntu 20.04、Ubuntu 18.04、CentOS 7 |
CPU | SSE2 命令セットをサポートする X64 アーキテクチャ | X64 architecture with SSE2 instruction set support (Intel processors)
Apple M1 or above (Apple silicon-based processors) |
SSE2 命令セットをサポートする X64 アーキテクチャ |
グラフィックス API | DX10、DX11、DX12 対応のGPU | Metal 対応の Intel と AMD GPU | OpenGL 3.2 以降か Vulkan 対応の NVIDIA と AMD GPU |
※すべてのオペレーティングシステムで、Unity エディターはワークステーションやラップトップフォームファクターでサポートされ、エミュレーション、コンテナ、互換性レイヤーなしで実行できます。
参考:Unity Documentation “System requirements for Unity 2021.2”
すでに上記の環境が整っている場合は初期費用を抑えることができるでしょう。ここ数年で購入したPCで、最新のOSにアップデートしてあれば基本的に動作するはずです。
PCの他にも、アプリの動作を確認できるスマートフォンを持っていると便利です。スマホ画面で見たときの各要素のサイズや、操作性の良し悪しなどを確認するためにはやはりユーザーと同じようにスマホでゲームをプレイする必要があります。ただし現代ではほとんどの人がスマホを所有しているため、初期コストとしてはあまり負担にならないでしょう。
アセット購入費用
アセットとは、他のデベロッパーが作成したゲームの部品のようなもの。例えば3Dのキャラクターデザインやさまざまな種類の効果音、UIデザイン、プログラミング補助機能などのアセットが販売されています。これらを購入して利用すれば、ゲーム開発において苦手な部分はすべてアセットにお任せできるのです。
価格はアセットによりますが、一つ5,000円程度のものが多い印象。購入しなくてもゲームの開発は可能ですが、すべて0から作り込むよりも、苦手な部分をアセットに頼ったほうが開発はスピーディーに進みます。
アセットはUnityというゲームエンジン内で購入できます。UnityはポケモンGO、ドラゴンクエストウォーク、どうぶつタワーバトル、白猫プロジェクトなどが開発されたゲームエンジンのこと。ハイパーカジュアルゲームを開発する際は、Unityを使用することがほとんどです。個人での利用料は基本的に無料なので、ここでコストはかかりません。
Unityは個人のデベロッパーから大企業にまで信頼されているため、安心して使用できると言えます。そしてこのUnityを使ってハイパーカジュアルゲームを開発する際に「アセット」という資産を購入すると便利なのです。
アプリストアのデベロッパー登録費用
ハイパーカジュアルゲームを開発し終わり、世界に向けてリリースするときは、アプリストアにデベロッパー登録する必要があります。
iOSの場合は「Apple Developer Program」に登録します。Apple Online Store経由で今夕する場合は年間12,980円(税込)です。毎年更新が必要となっています。Androidの場合は「Google Play デベロッパーアカウント」に登録します。iOSとは異なり、支払いは一回限りで3,000円弱(25USD)です。
いずれも、開発したハイパーカジュアルゲームをユーザーに届けるために必須の出費となります。
ハイパーカジュアルゲームの開発期間は?副業でもできる?
今回紹介したように、ハイパーカジュアルゲームの開発には数万〜数十万円しかかかりません。しかしゲームを開発するときは、金銭的な投資だけでなく、時間的な投資も考える必要がありますよね。そこでハイパーカジュアルゲームに必要な開発期間を見ていきましょう。
開発期間はおよそ数ヶ月
ゲームの種類や複雑性にもよりますが、早いものではプロトタイプ完成まで数週間、収益化までは数ヶ月しかかかりません。
ハイパーカジュアルゲームはその名の通り、とても(ハイパー)カジュアルに遊べるシンプルなゲームです。そのため、ゲームのメカニックもシンプル。他のゲームジャンルに比べてシステム構築にかかる手間が少なく、比較的短い時間でゲームを開発することができます。
また、Unityで開発すれば高度なプログラミングスキルは必要なく、アセットを利用すれば多くの便利機能を利用できます。ハイパーカジュアルゲームの場合は、ゲーム自体がシンプルなことで開発へのハードルがかなり下がっていると言えるでしょう。
副業で開発することも可能
副業としてハイパーカジュアルゲームを開発することも可能です。本業があるとどうしてもゲーム開発に費やせる時間に限りが出てしまうので、開発期間は伸びるかもしれません。しかし、作りたいゲームがある方は副業としてハイパーカジュアルゲームを開発するのがおすすめです。
ハイパーカジュアルゲームは開発費用が少ないため、本業のかたわら取り組むプロジェクトとしてのリスクも少ないでしょう。
ハイパーカジュアルゲームは開発のハードルが低い
ハイパーカジュアルゲームは開発費用が安いため、初めてのゲーム開発としてもおすすめです。現在自宅にあるPCですぐに開発を始められる方も多いのではないでしょうか。
「ゲームで稼ぎたい」「成長中のハイパーカジュアルゲーム市場に参戦したい」という方はぜひハイパーカジュアルゲームを開発してみてくださいね。
投稿者プロフィール
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株式会社ソースコード広報部/ライター
海外のインディーズゲームが好きで、自分でも開発するようになるが、飽きっぽく凝り性なので一人でリリースまで作り上げることができず、ぐだぐだしているところをスカウトされた。
現在は主にディベロッパーへの技術サポートと公式サイトのお役立ち情報の更新を担当している。
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