「遊べる広告」であるプレイアブル広告は、ハイパーカジュアルゲームでよく使用されます。
インタースティシャル広告や動画リワード広告など様々な広告形態がありますが、中でもプレイアブル広告はハイパーカジュアルゲームと相性が良く、高い効果が期待できるといわれているのです。
そこで今回は、Supersonicのクリエイティブマネジャーであるアサフ・プレイガーの記事を紹介しながら、ハイパーカジュアルゲームにおけるプレイアブル広告について解説します。プレイアブル広告成功のコツを知りたい方は必見です!
プレイアブル広告とは
プレイアブル広告とは、一言でいうと「遊べる広告」です。通常はHTMLを使用して作成され、短い読み込み時間でプレイできるように設計されています。
他のアプリでゲームをプレイしている途中に動画広告が表示され、その最後にミニゲームが表示された経験がある方は多いのではないでしょうか?これがプレイアブル広告です。その多くはゲームのプレイ方法を説明したチュートリアルのあと、広告内でミニゲームをプレイできるような流れで作られています。
プレイアブル広告のメリット
アプリマーケティングにおいて注目されているプレイアブル広告は、他の広告形態と比較してどのようなメリットがあるのでしょうか?
インストール前にゲームプレイ体験ができる
プレイアブル広告では、ユーザーがゲームをインストールする前にゲームをプレイできます。広告を見せるだけではゲームの魅力を伝えられなかった場合でも、ゲームプレイを通してハマらせることができるかもしれません。
オンラインで漫画を購入したことがある方は、プレイアブル広告と似た体験をしているのではないでしょうか。漫画の1巻だけ試し読みで無料だったのでなんとなく読んでみたらハマってしまい、結局全巻買ってしまった、という経験がある方は少なくないはずです。
ハイパーカジュアルゲームでも同じように、少しプレイしてみるとインストールへのハードルが大きく下がるのです。そのため、プレイアブル広告を使用するとインストール率の改善を期待できます。
リテンション率を上げ、アンインストールを減らす
プレイアブル広告では、リテンション率を下げてアンインストール数を減らすという効果も期待できます。
プレイアブル広告では、ユーザーはゲームをインストールする前にゲームプレイの内容を知っています。そのため、ユーザーの好みとのミスマッチが少なく、アンインストールせずにゲームをプレイし続けてくれる可能性が高まるのです。
インストールからたったの1時間でアンインストールされるアプリは25%にも上ります。1か月後には64%のアプリがアンインストールされているというデータもあるのです。しかし、プレイアブル広告を使用するとリテンション率が30~40%にまで回復するケースも見られます。
例えCPIが高くても、最終的にはリテンション率の高さから黒字になる可能性もあります。プレイアブル広告でCPIが高いということは「すぐにアプリをアンインストールするようなミスマッチのユーザーをふるいにかけている」とも受け止められます。CPIが高くても、ユーザーひとりひとりのLTVを上げることで大きな収益を上げることができるのです。
広告から得られるデータが多い
プレイアブル広告は広告から得られるデータが多く、最適化しやすいというメリットもあります。
ユーザーのインタラクションを分析すれば、どの地点でユーザーが離脱しやすいか、明らかになりやすいです。例えばゲームプレイで続けてミスをし、達成感が得られないとインストールにつながらないことが分かれば、難易度を調節してA/Bテストを行うことができます。
プレイアブル広告では広告に含まれる要素が多いので、変化を加えてテストをしやすいのです。テストを行えば、広告効果が高いクリエイティブに到達できるでしょう。
ハイパーカジュアルゲームと相性が良い
プレイアブル広告はハイパーカジュアルゲームとの相性も抜群です。ハイパーカジュアルゲームは、短い時間で楽しめるゲームであるべきですよね。仕事の休憩時間や通勤時間にサッとスマホを取り出して、たったの数分で達成感や満足感を得られるように設計されているのがハイパーカジュアルゲームです。そんな「短く、ハマれる」ハイパーカジュアルゲームは、短いプレイ時間でインストールを促すプレイアブル広告と相性が良いのです。
プレイアブル広告は通常1分未満で、ゲームプレイの魅力を伝えられる時間は長くありません。しかしハイパーカジュアルゲームはシンプルで分かりやすいため、短い時間でその魅力を伝えやすく、ユーザーをハマらせやすいのです。
プレイアブル広告には3つのポイントがある
そんなプレイアブル広告を成功させ、ハイパーカジュアルゲームのインストール数を増加させるには3つのポイントがあります。ここでは、Supersonicのクリエイティブマネジャー、アサフ・プレイガーの知見を交えて、3つのポイントを紹介します。
①チュートリアル
プレイアブル広告において、チュートリアルはとても重要なポイントです。分かりやすく簡潔にプレイ方法をユーザーに伝え、その後のミニゲームをプレイしたいと思わせる必要があります。
Supersonicでは「見せること」と「教えること」のバランスを大切にしているようです。チュートリアル内でプレイ方法をひとつひとつ丁寧に「教える」わけではなく、プレイ方法を「見せる」ことで効果的にゲームの魅力を伝えます。
実際のA/Bテストでは、以下を行っているようです。
例えば私たちは、クリエイティブからノイズを除去するテストをよく行います。障害物や背景の要素を排除するのです。こうすることで、ユーザーは注意を逸らされることなくゲーム自体やメカニクスに集中できます。チュートリアルの目的はゲームのプレイ方法を3秒以内に、一瞬で知らせることです。
引用:Supersonic
ここでSupersonicが「3秒以内」と時間を定めていることに注目すると、プレイアブル広告のチュートリアルはかなり簡潔である必要性が浮き出てくるでしょう。
②広告内のゲームプレイ
2つ目のポイントは、プレイアブル広告内のゲームプレイです。ここで意識されるべきバランスはSupersonicいわく、「ユーザーの注意を得ること」vs.「ユーザーがゲームをダウンロードしてもっとプレイしたいと思うように誘惑すること」です。
ゲームをクリアできた達成感は与えつつ、「もっとプレイしたい」と思わせてインストールを促す絶妙な難易度を設定する必要があるのです。さらにSupersonicでは、プレイアブル広告のゲームプレイの長さを15秒以内にすることをおすすめしています。
プレイアブル広告のゲームプレイの長さは、15秒以下にすることを私たちはおすすめしています。ユーザーにゲームの雰囲気を伝え、同時にもっとプレイしたいという気持ちを抱かせるのに、15秒は十分な時間といえるでしょう。
引用:Supersonic
ユーザーに少しの不完全燃焼感を与え、その感情をゲームをインストールして本物をプレイすることで発散できるような仕組みにする必要がありそうです。
③CTA(コール・トゥ・アクション)
プレイアブル広告の最後はCTA(コール・トゥ・アクション)で締めます。ミニゲームをプレイしゲームへの関心が高まっているユーザーに、実際にアプリをインストールしてもらうためのポイントです。
Supersonicでは、プレイアブル広告のCTAの注意点として以下を挙げています。
注意点はアプリストアに移動させるとき、ユーザーを驚かせたりイライラさせたりする方法を避けること。できるだけ摩擦を起こさずに、素早くユーザーを移動させることが重要です。
引用:Supersonic
ユーザーに不快感を与えてしまうと、これまでゲームプレイを通して楽しんでいた気分が変わってしまい、インストールに後ろ向きになってしまう可能性があります。インストールするとアプリ内通貨がもらえるなどのインセンティブを与え、自然に遷移させる必要があるでしょう。
プレイアブル広告でハイパーカジュアルゲームを広めよう
プレイアブル広告はハイパーカジュアルゲームのマーケティングに最適といえるでしょう。
A/Bテストをきちんと行えば、効果的なバージョンが見つかるはずです。プレイヤーのミスマッチを減らすという心強いメリットもありますので、ぜひプレイアブル広告の導入を検討してみてくださいね。
Supersonicの元記事はこちら
→ハイパーカジュアルゲームの効果的なプレイアブル広告の作り方
投稿者プロフィール
-
株式会社ソースコード広報部/ライター
海外のインディーズゲームが好きで、自分でも開発するようになるが、飽きっぽく凝り性なので一人でリリースまで作り上げることができず、ぐだぐだしているところをスカウトされた。
現在は主にディベロッパーへの技術サポートと公式サイトのお役立ち情報の更新を担当している。
最新の投稿
- ゲーム開発お役立ち情報2022.03.24ハイパーカジュアルゲームの市場規模は約4兆円!なぜ稼げるのか
- ゲーム開発お役立ち情報2022.03.23ハイパーカジュアルゲームのプロトタイプとは?作り方やポイントを解説
- ゲーム開発お役立ち情報2022.02.25ハイパーカジュアルゲームのパブリッシャーとは?提携するメリットを解説
- ゲーム開発お役立ち情報2022.02.24ハイパーカジュアルゲームのパブリッシャーの最適な選び方とは?