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ハイパーカジュアルゲームのプロトタイプテストで重要視される3つのKPIは?

重要視される3つのKPIは?

ハイパーカジュアルゲームは正式ローンチの前にテストとして広告を打ち出し、その効果を見極めます。

その際にパブリッシャーはどのような数値を基準として判断しているのでしょうか。

そこを知ることで、ハイパーカジュアルゲームの開発はよりスムーズになることでしょう。

今回はSupersonicが発表した記事をもとに、ハイパーカジュアルゲームのテストで重要視されている3つのKPIをご紹介します。

ハイパーカジュアルゲームの「プロトタイプテスト」とは

ハイパーカジュアルゲームは億単位の収益が見込めるビジネスであると同時に、広告費も莫大な額を投資していきます。

しかし、すべてのハイパーカジュアルゲームに莫大な広告費をかけるわけではありません。正式にローンチする前に一度テストを行い、テストである程度収益が見込めるとされたアプリのみ開発が進み、広告費をかけていくのです。

テストの際に提出するアプリを「プロトタイプ」と呼んでいます。プロトタイプとは、日本語にすると“試作品”。つまり開発を完成させる前の段階を指します。

プロチタイプの段階でゲームの目的等ははっきりさせておいたほうがいいものの、ステージの作り込みは必要ありません。数ステージのみ作成したら、そのアプリをプロトタイプとしてパブリッシャーに提出しましょう。するとパブリッシャーが今後そのアプリの開発を進めたほうが良いのか、テストにかけて判断するのです。

パブリッシャーとは

ハイパーカジュアルゲーム業界の記事を見ていると「パブリッシャー」という言葉が度々出てくるかと思います。どのような意味なのかご存知でしょうか。

ハイパーカジュアルゲーム業界でいうパブリッシャーとは、アプリの販売元のことです。

ハイパーカジュアルゲームは広告費を使うことで世界中のユーザーにその存在を周知し、ダウンロードを促します。広告1再生あたりの収益が少ないため、かなり多くの人に遊んでもらうことが必要なのです。

しかし個人や小さな会社だと、広告費に何億という予算をかけることが難しくなります。そこで存在するのが「パブリッシャー」と呼ばれる企業。開発者、つまりデベロッパーはパブリッシャーにアプリを提出し、テストを通過したものはパブリッシャーから広告を展開してもらうのです。この事業を「パブリッシング事業」と呼びます。

Super Sonicが考える3つのKPI

Supersonicは数ある中でも有名なパブリッシャー。弊社はSupersonicの日本窓口としてアプリのパブリッシング事業をサポートしています。

そんなSupersonicが「ハイパーカジュアルゲームのテストで最も重要なKPI3つ」という記事を発表。記事の一部をご紹介していきます。

CPI

ハイパーカジュアルゲームのプロトタイプテストをする際に最も重要なKPIは、マーケッタビリティーを表す「CPI(Cost Per Install)」です。

引用:Supersonic

まずSupersonicが挙げたポイントは「CPI」です。CPIとは記載の通りCost Per Installの略。つまり1インストールしてもらうのにどれだけの広告費がかかったかという指標になります。

CPIはSupersonicだけでなく、ほとんどのパブリッシャーが重視している指標です。CPIが低いことは、ハイパーカジュアルゲームの開発を進めるかどうかの大きな判断材料になります。

CPIが低いアプリは、ゲームがわかりやすく、ハマるポイントがしっかりと備えられているものです。プロトタイプを開発する段階でその点は押さえておくと良いでしょう。

具体的に目指すべきCPIの数値や、ソフトウェア開発キット(SDK)を使用している場合の考え方などはSupersonicの記事に掲載されているのでチェックしてみてください。

APPU

次にSupersonicが挙げているのはAPPUという値です。APPUについては

APPU(Average Playtime Per User)はSupersonicが作成したKPIで、ゲームのLTV(Life Time Value/1ユーザーあたりの平均プレイ時間)をより正確に推測する指標です。

引用:Supersonic

と説明されています。

LTV(Life Time Value/1ユーザーあたりの平均プレイ時間)はハイパーカジュアルゲームの効果を図る上で度々使われる指標です。ユーザーがどれだけそのハイパーカジュアルゲームに収益をもたらしたかを知ることができます。

ただ、このLTVには弱点が。それは、広告を配信し、実際にユーザーがアプリをプレイするまではこの指標を使うことができないという点です。

しかしAPPUはその弱点を克服し、比較的すぐに計測ができるとのこと。具体的な数値も公開されているので、記事を要チェックです。

リテンション

3つ目に紹介されていたのがリテンション。リテンションとはユーザーがどれだけ長い日数アプリを開き続けているかという指標です。

ハイパーカジュアルゲームではユーザーに長時間プレイしてもらい、マネタイズのチャンスを増やしたいものです。そこで「リテンション」はユーザーの生涯価値を高めるのに大きな役割を果たします。

引用:Supersonic

ハイパーカジュアルゲームは多くのユーザーにプレイしてもらうことも大切ですが、1人のユーザーに長くプレイしてもらうことも同じ用に大切。それが、リテンションを高めるということなのです。

Supersonicの記事では「Draw the Line」というアプリが例として挙げられていました。

プレイ時間が長くリテンションが高いとLTVが増加する事実は、高い収益を上げアメリカのiOSでトップ5になった「Draw the Line」の例で明らかになっています。このハイパーカジュアルゲームでは、テスト時のリテンション率 D1がなんと51%でした。

引用:Supersonic

D1のリテンション率が51%ということは、ハイパーカジュアルゲームをダウンロードした次の日も半分以上の人がプレイしているということ。つまり、それだけ魅力のあるアプリであることがわかります。

他の数値が規定値に達していなかったとしても、リテンションの値が高ければ改善の余地があると思ってもらえる可能性があるのです。

Supersonicの記事をチェック

パブリッシャーがどのような数値を見ながらプロトタイプを見ているのか、理解することはできましたでしょうか。特にSupersonicでのパブリッシングを考えているのであれば、これらの数値を意識したアプリづくりが有益。ぜひ意識したアプリづくりを心がけましょう。

とはいえ、プロトタイプの段階で作り込みすぎるのは要注意。プロトタイプはあくまでテストアプリです。ここに時間を割きすぎてしまうと、テストを通過できなかった際に開発にかけた時間が虚しくなってしまいます。

ゲームの企画を考えた上で、そのアプリに最低限必要な要素を洗い出し、プロトタイプを開発する。ここまできたらすぐにパブリッシャーに連絡を取り、支持を仰ぐことをおすすめします。

弊社からSupersonicへ連携することも可能ですので、開発したアプリを見せたいというご要望がありましたらぜひお問い合わせくださいませ。

Supersonicの記事はこちら。

→ハイパーカジュアルゲームのテストで最も重要なKPI3つ

投稿者プロフィール

広報部ゆあ
広報部ゆあ
株式会社ソースコード広報部/ライター
海外のインディーズゲームが好きで、自分でも開発するようになるが、飽きっぽく凝り性なので一人でリリースまで作り上げることができず、ぐだぐだしているところをスカウトされた。
現在は主にディベロッパーへの技術サポートと公式サイトのお役立ち情報の更新を担当している。