「Rope Man Run」はエデュアルド・ムズユ氏が開発し、Supersonicがパブリッシャーとして提携したハイパーカジュアルゲーム。アメリカのランキングではiOSで3位、Andoroidで5位という偉業を成し遂げました。
いったいどうしてRope Man Runがこのような功績を残せたのでしょうか。
エデュアルド・ムズユ氏へのインタビューをもとに、ハイパーカジュアルゲームやパブリッシングの可能性に迫ります。
Rope Man Runとは
まずは「Rope Man Run」というハイパーカジュアルゲームについてご紹介します。
Rope Man Runはエデュアルド・ムズユ氏が開発し、Supersonicがパブリッシングを行ったハイパーカジュアルゲーム。ロープをまとったキャラクターがコースを走り、障害物を避けたり、ロープを追加したりしながらゴールを目指します。障害物に当たるとロープが減ってしまい、なるべく多くのロープを身にまとったままゴールすることが目的。ゴール時にまとったロープの長さによって、報酬が変わります。
ランナーゲームにゲイン・アンド・ルーズの要素を盛り込んだ、中毒性のあるゲームといえるでしょう。
Rope Man Runの開発秘話
それでは、Rope Man Runがどのようにしてヒットアプリへと育っていったのか、Supersonicが公開したエデュアルド・ムズユ氏のインタビュー記事を元に見ていきましょう。
趣味を仕事に生かす
ムズユ氏がゲームアプリの開発を始めたのは12歳。最初はただの趣味であったといいます。
始めは趣味でしたが「Flappy Bird」がヒットしたときに、私にも何百万人もの世界中のユーザーに届くハイパーカジュアルゲームを開発できると気が付いたんです。「Flappy Bird」が出てくるまでは、ハイパーカジュアルゲームがこんなにも大きな規模で、高い収益性や人気を誇るとは知りませんでした。
引用:Supersonic
収益性を気にせず開発していたものの、「Flappy Bird」がヒットし、そのスケールに驚いたとのこと。「Flappy Bird」とはドン・グエン氏が開発したアクションゲーム。2013年に大ヒットしています。
ムズユ氏は一人で開発を進めるソロデベロッパー。ハイパーカジュアルゲームは開発のスピード感が早く、一人で開発を進めるにはとても効率的なのです。そうしてムズユ氏は、どんどんハイパーカジュアルゲームの開発に熱を入れていきます。
ヒントはランキングから
ゲームのアイデアを考えるときには、私はいつもハイパーカジュアルゲームのトップチャートを見ます。現在のトレンドを把握し、それに独自のひねりを加えて新しいコンセプトを作り出すのです。
引用:Supersonic
ハイパーカジュアルゲームを開発する際、ランキングのトップチャートからアイディアを取り入れるというムズユ氏。トップチャートには今のトレンドが反映されているため、ヒットしやすいジャンルがよくわかるのです。
企画のアイディアを出すコツについては以前ご紹介しているので、そちらもぜひご覧ください。
トップチャートでトレンドを知った上で、必要なのはそのトレンドをどう活かすかということ。そのまま自分のアプリに落とし込むのではなく、他のアプリにはないオリジナリティを加えることで、そのアプリならではの面白みが出てきます。
Rope Man Runは、その「ひねり」が成功した例といえるでしょう。ゲイン・アンド・ルーズのようなメカニクスをトップチャートから学び、そこからロープのキャラクターというオリジナリティへと落とし込んでいったのです。
パブリッシングにより市場性を確認
プロトタイプを開発し、Supersonicと提携してテストを勧めたムズユ氏。テストではまずまずの結果だったといいます。
始めにAndroidで行ったテストでは、CPIは$0.30-$0.40(およそ34円~45円)でした。これは、マーケケッタビリティは確かにあるけれど、まだ改善の余地がある数値です。しかし下記のYouTubeの動画のおかげで、マーケケッタビリティが十分にあり、ゲーム開発に進む価値があると知ることができました。
引用:Supersonic
CPIはまずまず。改善の余地があるとの判断でしたが、あるYouTubeの動画がバズったことで、その市場性を確認できたというのです。その動画がこちら。
このプレイ動画が圧倒的再生回数を叩き出し、可能性を感じたというムズユ氏。そこからSupersonicとともにCPIを下げるためにさまざまなテストを行います。そして、ようやくCPIは$0.18(およそ20円)まで下がっていったのです。
ムズユ氏のようにソロデベロッパーであれば、デザインやメカニクスなどを変えてさまざまなA/Bテストを行うのは、至難の業であったことでしょう。もしできたとしても、相当な時間を費やしてしまいます。そういったときに利用したいのがSupersonicのようなパブリッシャーです。Rope Man Runをヒットまで導く際も、Supersonicはムズユ氏と二人三脚で歩みを進めてきたと語られています。
Rope Man Runはヒットアプリへと成長
さまざまなテストを重ねることで、Rope Man Runはヒットアプリへと成長を遂げていきました。
まず始めに、リテンションやプレイ時間などのKPIを改善させるためにゲーム内要素のA/Bテストを多く実施しました。
引用:Supersonic
動画がバズったとはいえ、アプリ自体の課題はたくさんありました。そこを一つずつクリアするため、A/Bテストを実施してきたといいます。
例えばロープがほどけるタイミングの仕様や、レベル終了時の報酬についてなど。あらゆる可能性を試すことで、現時点で最適と思われる仕様をクリアしてきたのです。開発スタート時からどこを変更してきたかについては、Supersonicの記事で詳しく語られているのでチェックしてみてください。
私たちはSupersonicとともに、各レベルを改善し、デザインにも力を入れて開発を進めました。基本的にはレベルの難易度を下げることに集中していましたね。例えば、離脱率が高い部分を探し、その地点でプレイヤーにブースターを与えることでゴールにたどり着きやすくしました。
引用:Supersonic
レベルの難易度を下げることで、離脱率を改善していったというムズユ氏。ハイパーカジュアルゲームは直感的で気軽に遊べるゲームを売りとしています。簡単すぎても面白みがなくなりますが、あまりにゲームの難易度が高いと気軽なプレイからかけ離れてしまい、プレイヤーが離脱してしまうのです。そうしたポイントを徹底的に検証し、ブースターを与えるなどして離脱を防いできたのだといいます。
ムズユ氏が語るSupersonicとの関係性
最後に、エデュアルド・ムズユ氏はSupersonicに対してある言葉を残していました。
「Supersonicは、私のアイデアを始めから信じてくれていました。そして、チーム全体が私のパートナーのようだと感じました。ソロデベロッパーである私にとって、本当に支えになることです。」
– エデュアルド・ムズユ、Casual Hit Studioの創設者
引用:Supersonic
Supersonicと連携してRope Man Runを成長させたことに対し、かなり前向きな印象を持っているよう。ソロデベロッパーとしてアプリの開発を続けていると、時に壁にぶつかることもあるでしょう。そうした際に助けになるのが、Supersonicのようなパブリッシャーの存在です。
Supersonicはこれまで数々のアプリを世に排出し、ヒット作として成長させるためのノウハウを蓄積しています。そうしたノウハウを吸収することで、より早く、より高品質なハイパーカジュアルゲームをリリースすることができるのです。
弊社はSupersonicの日本窓口として、ハイパーカジュアルゲームのパブリッシング事業を支援しています。ハイパーカジュアルゲームの開発を進めてみたい、開発したハイパーカジュアルゲームを見てもらいたいという方がいれば、ぜひ弊社にご連絡くださいませ。
Supersonicの元記事はこちら
→Supersonicと提携した「Rope Man Run」がAndroidとiOSで5位以内に
投稿者プロフィール
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株式会社ソースコード広報部/ライター
海外のインディーズゲームが好きで、自分でも開発するようになるが、飽きっぽく凝り性なので一人でリリースまで作り上げることができず、ぐだぐだしているところをスカウトされた。
現在は主にディベロッパーへの技術サポートと公式サイトのお役立ち情報の更新を担当している。
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