ゲーム開発お役立ち情報

大人気のStacky Dash、ヒットの理由は? 考察・レビューしてみた

人気のハイパーカジュアルゲームにはヒットの理由が必ずあるでしょう。今回はSupersonicのヒット作「Stacky Dash」がヒットした理由を考察します。

Stacky Dashは28ヵ国でトップ5にランクインした世界的な人気作で、デイリーで10万件以上のインストール獲得とその人気は爆発的。そんなStacky Dashを深掘りすれば、ご自身のハイパーカジュアルゲーム開発に活かせるヒントが見つかるかもしれません。

Stacky Dashってどんなゲーム?

Stacky Dashってどんなゲーム?

Stacky Dashはランナー系のハイパーカジュアルゲームです。ゲームのルールはシンプルで、板に乗ったキャラクターを操作して、板を積み重ねながらゴールまで走り抜けます。

Stackは英語で「積み重ねる」という意味。板を積み重ねてダッシュするというゲームタイトルなのですね。操作は上下左右のスワイプのみです。一筆書きの要領で、レベルにあるすべての板を積み重ねられるようにキャラクターを操作します。

ステージには板が並べられた島がいくつかあり、島と島の間には板がない部分があります。板がない部分はキャラクターが積み上げてきた板を踏み台にして進むという要領。そのため、レベルにあるすべての板を回収することが高スコアへの鍵となるのです。

レベル終わりにはコインをもらえて、そのコインでスキンを購入することができます。デフォルトの人間キャラクターだけでなく、可愛い動物のスキンもあり種類は豊富です。プレイしていくと別のステージもアンロックできますよ。

Stacky Dashのヒットの理由5つ

それではそんなStacky Dashのヒットの理由を5つ紹介します。筆者がプレイしてみて感じたユーザー目線の考察と、ハイパーカジュアルゲーム運営の方面からみた考察の両方を含めました。

ランナー系とパズルの融合

ランナー系とパズルの融合

Stacky Dashのゲームの目的はコースを走りゴールすること。そのため、ジャンルでいうとランナー系です。しかし、Stacky Dashにはパズルジャンルの特徴もあり、実際はランナー系とパズル系の融合といえるのではないでしょうか。

ステージにある一つ一つの島ですべての板を回収するためには、パズルの要領で少し頭を使います。プレイヤーができる操作は上下左右のスワイプだけなので、何タイル分進む、というような細かい動作はできません。

スワイプした方向の壁に当たるまで進み続けるので、どのようなルートを通ればすべての板を回収できるのか頭を捻る必要があるのです。パズルゲームが好きで、ランナー系のような爽快感も欲しい方はハマるゲームでしょう。

Stacky Dashには他に「ゲイン・アンド・ルーズ(獲得と喪失)」の要素もあると言えます。板を獲得し、島から島に移動するのに板を使用(喪失)するので、必要なものを積み上げていく(獲得)達成感があるのです。

このように複数のジャンルが融合されていると、ターゲットの母数が増え、マネタイズしやすくなるという利点があります。また、他のゲームにはない個性を出せるので、ハマりやすくなるともいえるでしょう。

ほど良い難易度で爽快感あり

Stacky Dashのヒットの理由として、レベルの難易度が的確で爽快感があることが挙げられるでしょう。

板がある方向にスワイプするだけかと思いきや、当たるとバウンスしてもう一回分進んでしまうバウンサーや、矢印の方向に戻って/進んでしまう矢印バウンサーなどの障害物が登場します。少しだけ難易度が上がり、レベルを達成したときの爽快感もアップするのです。

障害物の種類は豊富ですが、その分時間制限や手数制限はありません。制限があると追われる気持ちがしてリラックスして楽しめないことも。その点、Stacky Dashではパズルを解く時間がたっぷりあるので、気軽に楽しめます。

ハイパーカジュアルゲームは隙間時間に気軽に楽しめるのが魅力のゲームジャンルです。リラックスしてプレイできるのに爽快感もあるというのは、ハイパーカジュアルゲームの良さを十分に取り入れられていますよね。

キャラクターやステージが豊富

ランナー系とパズルの融合

ゲーム内でレベルを達成したときにもらえるコインを使うと、豊富なキャラクターやステージへのアクセスも可能です。このような飽きない工夫が施されているのもヒットの理由でしょう。

最初は背景が一色のステージですが、木に囲まれた自然の風景や、都会の街中のステージなどにグレードアップできます。キャラクターも可愛い人間やクマやライオンなどの動物などバリエーション豊かです。

Stacky Dashのキャラクターのポーズは、スケートボードに乗るような独特なもの。板が積み重なるたびに少しバウンスする動きも癖になるのかもしれませんね。

バイブレーションで達成感あり

ハイパーカジュアルゲームではアニメーションやデザインが大切です。Stacky Dashではそれだけでなく「バイブレーション」にも力を入れています。

キャラクターをスワイプし板を重ねると、スマホが振動するように設定ができるのです。スマホを持つ手に動きが伝わると、画面で見るより達成感が強く感じられます。

ハイパーカジュアルゲームは短時間でどれだけ印象に残る体験をさせるかが大切です。ユーザーが次にまたアプリを開いてプレイしてくれるかどうかは、最初のプレイの印象にかかっています。バイブレーションを通してユーザーに身体的な刺激を与えることで、他とは一味違った達成感を感じさせることができるのです。

広告の出し方が適切

広告の出し方が適切

さらに、Stacky Dashは広告の出し方が適切だと言えるでしょう。ヒットの理由を考えるとき、ゲーム自体の質に目が行きがちですが、広告の出現頻度や配信方法もユーザー体験の重要な要素です。

Stacky Dashでは動画リワード広告が多く配信されている印象です。動画を視聴するとコインの報酬を3倍程度にできたり、次のキャラクタースキンをアンロックするためのバーを進めたりできます。

動画リワード広告は、ユーザーが再生したいときに再生できるので、不快感を与えずに広告を配信できる方法です。Stacky Dashでは広告をほとんど再生せずにゲームをプレイすることも可能。ユーザーからすると、Wi-Fiがある場所でプレイするときは広告を再生して、モバイル通信費用がかかるときは再生しない、という楽しみ方もできるでしょう。

ハイパーカジュアルゲームをヒットさせたいときは、もちろん利益を上げて投資費用を回収することも大切です。しかし、マネタイズに貪欲になりすぎて無闇に広告を配信すると、プレイ時間やリテンションが下がり、逆に利益が減少してしまう事態にもなりかねません。

Stacky Dashではあらゆるところに動画リワード広告が配置されているので、ユーザーがその気になればかなりの広告の再生数が稼げるでしょう。一方でゲームプレイの邪魔になるようなタイミングや位置には表示されないので、ユーザーが気持ちよくプレイし続けられるのです。

実際にプレイしてヒットの理由を体感してみて!

ヒットしたハイパーカジュアルゲームからヒントを得るためには、実際にそのゲームをプレイしてみるのがおすすめです。ユーザー目線になってプレイしてみると、みんながハマる理由が分かるかもしれません。

個性や爽快感、飽きない工夫などを実際に肌で感じてみてくださいね。ご自身のハイパーカジュアルゲーム開発に活かせる何かが見つかるはずです。

Stacky Dash
iOS:https://apps.apple.com/jp/app/stacky-dash/id1515957122
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=com.Born2Play.StackyDash&hl=ja&gl=US

投稿者プロフィール

広報部ゆあ
広報部ゆあ
株式会社ソースコード広報部/ライター
海外のインディーズゲームが好きで、自分でも開発するようになるが、飽きっぽく凝り性なので一人でリリースまで作り上げることができず、ぐだぐだしているところをスカウトされた。
現在は主にディベロッパーへの技術サポートと公式サイトのお役立ち情報の更新を担当している。